四国のアカメ 110cm

ボーグで、アカメを釣りたい!

夢の実現を果す第一歩を踏み出す為に、19日早朝高知へと向かった
その遠征も終えて無事自宅へ帰り着いたが、往復1300kmを超える走行と初挑戦の緊張とでヘロヘロ状態で、とてもブログを更新する体力気力は残っていなかった
自宅へ戻りやっとゆっくり睡眠が取れたけれど、体の芯には疲れが残って取れていないし、頭は未だトランス状態が続いている・・・

今回の遠征は四万十川からスタートしたが、その事は後日項を改めて記す事にする
押しかけた僕を親身になって案内してくれた釣友Nori1022さんには、心からお礼申し上げる

アカメ挑戦を思い立ったのは前にも書いたが、長野博光さんのアカメの国を読ませて頂いたのがきっかけである
今回の挑戦が具体化し出した頃からその長野さんにメールを送って、その後遣り取りを続けて来た
高知遠征の日程も決定し、高知で是非お会いしたい旨を告げると、嬉しい事にOKの返事が頂けた

生きたアカメを実際に見た事が無い自分と、今回同行した家人にアカメの偉大さ素晴らしさを理解させる為に長野さんの計らいで、アカメ飼育で有名な桂浜水族館で落合う事になった
水槽で泳ぐアカメを目の当たりにして、いよいよ挑戦意欲も沸き立ってくる
見学を終えて一旦家人をホテルへ戻し、数年前に止めた釣りにも付き合ってくれると言う長野さんの待つ場所へ着いたのは、7時半頃である
陽は沈んだが、日中の暑さがそのまま残って、全身が熱気と湿気に包まれてムッとする
先ずは蚊の攻撃を避ける為、蚊よけのリストバンドを両手首に巻き、腰には携帯蚊取り器を吊るす
完全な陸っぱりとの事なので、前日のウェーダーは止めて、足元はズック製ウェーダーシューズで固める
この日の為に用意したウェストポーチを腰に巻きつけたが、同じく用意した自動膨張式ライジャケとウェストハーネスが、余りに誇大装備で仰々しく思われるロケーションの場所だったから遠慮しておいた(笑)
しかし、万が一のランディングは想定し、前回書いたランディング・ツールはしっかり肩に掛けて現場へ立った

満潮を過ぎたばかりで潮位も高いから、頭の中でボーグのローテーションをレンジが低いLB/アクアシャフト(通常機)から、時間の経過と共に水深が浅くなるに連れて、MB(特機)、SB/アクアシャフト(通常機)、MB/SS(特機)として行こうと組み立てた
持参したボーグは、アカメは音に敏感であると聞いたので、重心移動で音を発する恐れが無い、固定重心のソリッド機ばかりである
正面に放った第1投は下げ潮に流されて、左に大きな弧を描き足元に戻って来る
リトリーブスピードは、ボーグが泳ぎ出すギリギリのデッドスロー
ただ正面に打ち込むと、弧の頂点は岸際に寄り過ぎて、最後は岸を舐めるように戻って来る
それを弧の頂点が、沖合い20mほどの掛け上がりを長く引けるよう、下げ潮に対しアップに打ち込み調整を続ける
20分程経過して、どうやら思い描くベストのトレースが描ける様になって来た

ドスッ!

今まで一度も経験した事が無い重たい衝撃が、掛け上がり中央付近を泳いでいると想定しているボーグから、60lbラインを通じ手元に伝わって来た
いきなりグイッと竿先が強い力で押さえ込まれ、ジィーーーと長鳴きするドラグの音と共に、ロッドが伸されそうになる
「竿を立ててっ!」鋭い声で、直ぐ脇の長野さんからアドバイスが飛んだ
急いで竿尻を左腿の付け根に追っ付け、左手でロッドを立てて突っ込みに踏ん張って耐える

ヒット~!!

(写真は長野氏撮影)

下げ潮に乗って強力なトルクで左へ突っ込む、フルドラグに近いドラグを鳴らし更に走る
弧を描く岸にラインが擦られない様に自分も左へ左へ回り込み、少しでも突っ込む力が収まればポンピングしながらリールを巻く
しかし、巻いて寄せる距離よりも、突っ込み走る距離の方が遥かに長い
ボーグのクラッチフッキングがガッチリ効いていると信じているから、フックアウトは全く考えてない
如何に奴の突込みを凌ぐのかだけを考え、巻いては走られを延々と繰り返す
ひたすら左へ逃れようとしていた奴は、沖へ更には右手にと走る方向を変化させた
少しは奴も疲れが出だしたのか??
しかし、今まで一度もエラ洗いやジャンプで、水面上に姿を晒す事が無い
凄い馬力で水中深くへと、猛烈な突込みを繰り返すのみなのだ
僕持参のギャフを手に、長野さんがランディングアシストしようと、僕の脇で待機してくれているが、中々岸には寄せられない
焦るな!
奴も何時かは力尽きる筈だと、自分を落ち着ける
時間がどれだけ経過したかは、全く観念が無い
ロッドを支える左手は、筋力アップトレーニングを続けたお陰だろうか、まだまだ大丈夫である
一向に水面に姿を現さないので、奴の大きさや正体は、全く僕には想像がつかない
延々と何時までも続くと感じられた巻いては突っ込まれも、徐々に巻く方が勝ってきた
少しずつではあるが、奴も岸に寄って来た
5m程沖で最後の反転突込みを試みた後、奴も遂に水面に姿を現した
ライトに照らされた奴の双眸は、不気味に赤く輝いている!

アカメだっ!!!

途中で駆けつけて呉れた上杉さん(長野さん主宰「アカメと自然を豊かにする会」事務局長)が、長野さんに代わってランディングアシストを務めてくれる
「rinyosiさん、アカメ持ち帰ります?リリースします?」
長野さんの質問に躊躇う事無く
「リリースします」
と応える
ギャフでのランはアカメを傷付ける恐れがあるから、上杉さんのボカグリップで下唇を咥え込みランディングしてくれた
長野さんとガッシリ握手を交わす

(写真は長野氏撮影)

岸に横たえられたアカメは、想像してたより遥かにデッカイ
下唇内側と上唇外部に、クラッチフッキングがしっかりと決まっている
横たえた岸は、昼間の日光でボカボカに熱いので、時間が掛かれば体力を無くしてしまう
急いでカメラに収め、フックを外し、ストリンガーを着けて水中に戻し体力の回復を図る

漸く一息ついてタバコを吹かす
汗が止め処なく滴り落ちてくるが、深く吸い込んだタバコが美味い!
暫らく蘇生をさせておいて、ビニールを敷いた上に再びアカメを横たえて、計測とタグを打ち込む
計測の結果は・・・

全長110cm、体長95cm

リリースする前に、ブツ持ち写真を撮って貰おうと持ち上げようとするが、重たくて手の平ではとても支えら得ない
右手で下顎を掴み、左手全体でアカメの体重を支える(秤が無かったので、体重は長野さんの推定で推定20kgと記録された)が、重たいし不安定さとで、心の中は嬉しくて飛び跳ねたい位だが、上手に笑顔が作れないのだ

(写真は上杉氏撮影)

リリースの為再び水中に戻し、両手で下顎を支えアカメの体を前後に揺すって、口中に水を送り込んでやる
暫らくそれを繰り返し、次に左手だけで支え右手を口の前で扇ぎ、水をエラに送ってやる
大分蘇生した様で、ゆっくりと鰭を動かし始めた
そっと手を離すと、アカメは暫らく同じ位置でジッとしていた後、ゆっくりと頭の方向を沖に換えて、やがって水中深くへと姿を消していった
アカメに敬意を評し、敬礼して見送った・・・

一段落した頃に、長野氏と共に高知アカメ界の両巨頭と称されるぺこぺこさんが、高知県在住のアカメハンター「ししとう師匠」を伴って駆けつけて呉れた
暫らく車座になって、怪しくも楽しいアカメ談義が続く
そのうち、KAZU@CDさんも、冷たい飲料を携えて会いに来てくれた
集まってくれた全員が僕のゲットを、冷えたお茶で乾杯して祝ってくれる

アカメ初挑戦にして、いきなり110cmのミノウオクラス・ゲットとは、幸運以外の何物でもない
しかし、ブログ書き込みやメールで、貴重なアドバイスを頂いたり、温かい励ましのエールを贈ってくれた総ての方々の支えが無かったら、こんなラッキーも舞い降りなかったに違いない
この場を借りて改めて、お礼申し上げる又、アカメ挑戦に向けて、特別チューンを施してくれた、オプセル社山本オーナー、当日案内下さった長野さん、ランディングアシストの上杉さん、祝福に駆けつけて呉れたぺこぺこさん、ししとう師匠、KAZU@CDさん、現場に電話頂いた、BFT海猿さん、ヤッターさん、、カツウラ上等兵さん・・・

皆さん、本当に有難うございました!

TACKLE
ROD:Rippie Fisher RED EYE Special 102/Spinning/Cork
REEL:Daiwa CERTATE4000HYPER CUSTOM
LINE:Daiwa SALTIGA SENSOR 60lbs
LEADER:MORRIS VARIVAS Shock Leader 60lbs
KNOTS:Bimini Twist+Albright Knot
LURE:Opcell Falcon128LB/Iron Solid Aquashaft I-C Chart Yellow

rinyosi・・・ロード・フォー・スズキFISHING