そういえばこないだの結婚式で、すばらしいスピーチを聴いた。
スピーチといえばものすごい偉い人やとにかく年上の人がやるもんだと思っていたが、わたくしももうそうとうな年上の人なので、いろんな事をしゃべれないといけないのかもしれないな。
無理だけど。
それで思いだしたのだが、昔々トあるメーカーに勤めていた頃、新人の研修で「3分間スピーチ」というのがあった。毎朝順番で3分間を語らなければならないのだが研修員50人ぐらいの人前なので「もうすぐ、ボクの番・・・」という日々が来るとかなりブルーになったのを覚えている。その研修期間中何度か順番がまわってきて、そのたびに苦し紛れなオハナシをしたが、中でいちばん覚えているのが「道路工事はミイラ堀」というテーマ。そこいら中にミイラが埋まっていて3月になると一斉に掘らなきゃならないとか何とか。今さら内容も思い出すことができないが良くもまぁ、しゃーしゃーと嘘をついたものだ。それなりにおもしろく話したような記憶がある。
それでさらに思いだしたのだが、「なぜ?なに?が始まる4~5才の子供を前に、良いオヤジは雑学人でなければならない」というテーマで延々飲んだとき、中の1人が言った。
「おれ、オヤジに騙されてた」
聞くと小さい頃、オヤジの背中に張り付いて自転車に乗っていたとき、
「おとうちゃん、道路にある◆のマークはなんのためにあるの?」
するとその親父さんは答えた。
「あれは、道路工事の道具が埋めてあるんだよ」
そしたらスルドイ彼は、小さいながらもスルドイ答えを返したそうだ。
「じゃあ、掘るためのシャベルは埋めてはいけないんだね」
それから約30年経った最近、◆の下に道路工事の道具が埋まっていないことを知ったそうだが、では何のためのマークなのかも答えられない彼がなんだかかわいかった。