シャコ獲り。
あえて「獲り」と書く。
同じ「とり」でも「採り」や「捕り」では書きあらわせない「狩り」の世界がここにある。
コレはやった人でしかわからない言い回し。
やってみれば「シャコ獲り」と漢字で書きたくなる気持ちが分かってくれると思う。
シャコをGetするためには、そのくらいの集中力と駆け引きが必要なのである。
2002年夏。
またシャコの季節がやってきた。
ボクはこのシャコとのやりとりが大好きで、ここ数年この季節が来ると何回もココに通っている。
近寄ってみると、こんな感じの干潟なのである。
干潟を、このようにスコップで薄く削り取ると・・・。
このような穴が開いている。
コレがシャコの穴。
なんでも、この穴は2つで1対だそうで、その長さはかなりの長さになるらしい。
ここにシャコが住んでいる。
ここにおもむろに筆を差し込む。
ちなみにこの筆は足立区のとある文房具屋で1本150円。
いろいろチューンが必要だが、その技はここでは割愛する。
すると、筆が動く。
穴に入ってきたモサモサを、中に住むシャコが押し出そうとするのだ。
穴がふさがるのを嫌うのですね。
押し出される筆を支え、モサモサが見えてきたら上から掴んでみる。
ワシっと掴むと、中にシャコの腕があるはず。
その感触を確かめたら、ゆっくりゆっくり引き出す。
失敗するとこうなる。
もうそのシャコは獲れない。
うまく引っぱり出せた。
活性の高いシャコにあたれば、筆は穴から押し出されてしまう。
でもたいていのシャコはけっこうシャイなので、さそいだす努力が必要。
押すとか引くとか小突くとか・・・。
それが熟練の技。
ここまで来たって、気を抜けば穴に逃げられる。
ここまで抜けば一安心かな。
やったぜ!
コレで、こっちの勝ち。
今年の第1回目のシャコ獲り。
慣れるまでは何度か失敗したけれど、こつを掴めばこのとおり。
今年もシャコはたくさん獲れる。
そして波打ち際にはたくさんのデキハゼが群れていた。
ハゼ釣りと共通の季節。
引ききった干潟ではこんな遊びが待っている。
この夏、ぜひチャレンジしてみて下さい。